八風窯
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技法公開
『ヒナ文の絵付け』
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『紐づくりで大物をつくろう』
『炭焼窯で黒陶を焼こう 成形編』
『炭焼窯で黒陶を焼こう 焼成編』
『陶板時計の制作』
『祈りの造形(かたち)1000』 成形編
『祈りの造形(かたち)』 展示編
『祈りの造形(かたち)’03』 成形編

 

『ヒナ文の絵付け』

 

○ツボ:生素地への掻き落とし・下絵・上絵の手順でヒナ文の絵付けです。
   焼物の絵付けは2段階。下絵と上絵。工程の流れを整理しましょう。 

   成形した素地→化粧掛け→乾燥後に掻き落とし→素焼→下絵→釉掛け
   →本焼→上絵→上絵の焼きつけ

 

白化粧を生掛けして乾いた素地に、桃の花とヒナのリンカク線を鉄筆で掻き落とす。筆で描くのとはちがうシャープな線で描ける。
素焼(850度)したものに織部とピンクで桃の花の下絵つけ。
ピンクは土灰釉に陶試紅(顔料の名前)をテキトーにまぜたもの。
土灰釉を掛けて本焼(1280度)酸化焼成。
ここから上絵です。本焼したものに赤ダミ(うすく)します。
上絵の黒(洋絵具の茶と大正黒をまぜたもの)でヒナの髪を。
濃い赤で目と口、女雛の肩、男雛の腰帯を
紫で女雛の帯と衿(エリ)、紺で男雛の袴を
緑で笹と衿、黄色で点文を入れて850度で焼いて・・・
完成。寒の1月2月に赤絵の小品を飾ると春三月を待つ気分が出ます。

 

ツボ:下絵は呉須(青)織部(緑)鉄(黒もしくは茶)、伝統的な下絵の色としては
   この3色しかありません。これらで絵を描き、そのあとで釉薬を掛けるのです
   から、釉薬の下に青・緑・黒はあります、なので下絵です。
   英語でも under glaze (釉藥) painting と言います。

   本焼(1200〜1300度)したものはもう食器として使えます。
   釉薬がガラスとして掛かっていますから水を通しませんし、素地も充分焼き締
   まって堅牢です。しかし下絵で出せる色は3色しかありません。下絵の3色で
   絵が納まるものはここまでで完成ですが赤などを使うとなると、さらに低火度
   の絵具で絵つけし、それを焼きつける上絵つけの工程が必要です。素焼・本焼
   で2回。さらに上絵の窯と3回焼くことになります。

   上絵は本焼して溶けた釉藥の上に絵を描くから上絵といいます。英語だと
   over glaze painting です。900度以下で焼きつけます。それ以上だと消えて
   しまいます。日常食器として使うためにまず1200〜1300度で本焼しその後に上
   絵することになるわけです。

   上絵のことを赤絵・あと絵・色絵ともいいます。赤絵というのは赤が代表的な
   色だから。あと絵は手順があとだから。色絵はたくさんの色数があるからです。
   金や銀、緑でも青味のつよい緑だとかさまざまな色味があります。

   ちょっとヤヤコシカッタですねー。

 

 

紙雛は 恋したそうな 顔ばかり

    正岡子規の句ですがぼくの描くヒナの顔もそんなカンジです。
     

 

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