八風窯
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案内チラシレポート

 

大阪ドーム テーブルコーディネイトで100万円を!

テーブルコーディネイトコンテストにこんな作品を応募して
100万円ねらいました。(この文は2000年末に書かれました。)

『山里の夜咄(よばなし)e-クラフトの食卓』

 

    滋賀県湖東の永源寺町。この地に移り住んだ工芸家たちが初冬の一夜、鍋を
    囲みました。木工・陶芸・染色の作り手たちは古老の話に山里の暮らしを偲
    びつつ『永源寺町の工芸』に想いは至ります。eigenji町でe(良い)工芸を
    めざすe-クラフト・・・と夢を語り合ううち、鍋の食材もまたeigenji町の
    物ばかり、農林魚、すべてが自然の恵み、この地の人々の馳走であることに
    気づきます。山家の土間の陰影礼讃。鍋の名はこの山里を抜けて鈴鹿山地を
    越えてゆく八風街道にちなんで『八風鍋』と決まりました。

八風鍋:ミルクとミソ仕立てで洋風な趣を。
    町内の池田牧場のミルクに。ふるさと工房で手作りしたミソ。醤油も地場産。
    塩をふらずに焼いたイワナからは好いだしが出ます。こんにゃく、トウフ、
    ねぎ、白菜、椎茸、マイタケ、ヒラタケ、クリタケ。そばは農家の方が減反
    転作で作り始めた手打ちです。八品以上の地場の食材がはいった八風鍋。

イワナ:町内で養殖。塩焼きしてガーリックオイルをかけて洋風に。

ワイン:町内の日登美ワイナリーの『美術館』ここのワイナリーは日本で一番沢山の
    バーナードリーチ作品を所蔵しています。

日本酒:喜多酒造の『永源寺』

果物 :くり、ザクロ、柿、梨、すべて地場もの。

 


    


ぼくの住んでるここ永源寺町には工芸家がたくさんいます。
それでeigenji町でe(イ−:良い)工芸をめざすe-クラフトとか云うていろいろやっ
てるわけですが 、e-クラフトメンバーの中で、ぼく(陶芸)、カミさん(染織)、
小林朗(木工)とで考えて応募していたテーブルコーディネート作品

『山里の夜咄(よばなし)e-クラフトの食卓』

が一次審査通過して来年1/12〜21の会期で大阪ドームに展示することになりました。
一次は写真審査のみでしたが、この画像の撮影場所はe-クラフトメンバーである野田
浩二さん(染色)の自宅の土間です。卓上のコースターと座ぶとんは野田さんの作。
あと木地師さんから借りて来た荒取りしただけの木の鉢と安部さん(木工)の椅子や
木の板も使って構成しました。

 応募350のうち一次審査通過作品数は58です。
1/12の本審査で通商産業大臣賞がとれれば100万円!
もう皮算用してしまってます。

『テーブルコーディネートフェア2001』
世界のうつわ、数十万点を展示販売。
和陶磁器・洋食器・和工芸品・ファブリック・骨董・ガラス器・金属工芸ほか
主催:毎日新聞社・毎日放送・関西うつわ文化フォーラム・大阪ドーム

2001年1月13日(土)〜21日(日)10:00AM〜7:00PM12日は内覧会のみ
入場料1600円前売り1300円です。

このイベントは東京では2月にテーブルコーディネートフェスティバルの名前で行わ
れますがコンテストは大阪のみの恒例イベントで“ふれあい”をテーマに料理と食卓
の演出を競うものでして僕らが応募した作品の料理はオリジナル料理『八風鍋』。
料理の食材も器やテーブルも全部(火鉢だけ信楽焼の古いのん)が永源寺町の物だけ
で構成しました。

 

この応募で100万円とれたかというと・・・

 

『大阪ドームのテーブルコーディネイトフェア2001』

 

いや去年に続いて2回目の出展。コンテストにも出したんでオオゴトでした。
 
 阿波座のビジネスホテルに12泊。地下鉄の九条の駅を出て商店街を抜けるのが
 おきまりの『通勤コース』でした。


パチンコ屋の朝の体操を横目に見て・・・
     立ち食いうどんで朝飯したり・・・
     吉野屋の牛鮭定食は4回も・・・

 

 

レトロなビルの横を通り抜けると

 

野球やってるとこがこんなふうにしつらえてあって

 

今年で4回目。ブース出展料35万円。

 

コシノジュンコやクニエダヤスエなどの
招待作家の展示があって
     1800×2700×1350Hのブースに
一般応募の優秀作品が57。
さて見て行きましょう。

器・料理・セッテイングに新味があるか・・・

 

 

アジアンテイストは何人もやってましたね、
バリのガムラン楽器をもち込んでる出展者も。

 

瓦をうつわに、たわわに実った稲穂を生けて・・・
 奈良の出展者、 寺院と田んぼの多い
地域性を特色に演出・・・

 

 

カットサロンのオネイサンとも顔なじみに

 

 

ジャ〜ン 大阪ドーム!
     2階の出展者入り口をとおりぬけると

 

ちょっとビックリでしょ。

 

「ふれあいの食卓」がテーマ。
来場者アンケートで人気が高いので
ことしから会場中央に展示することとなり・・・

 

きれいですねぇ

 

それにこめられたストーリーに共感できるか・・・

 

「和のイメージの洗練」・・・
この方向もいくつもありました。
   このブースの出展者は若いオネイサンで
道具立ては「家にあった物で・・」
良家の子女!って思ってしまいました。

タイトル「私の小正月」
半年ほどフラワーアレンジメントを習ってる
と云う出展者は先生にすすめられて応募。
蒔絵の碗にステーショナリーの金属トレイ、
壁面に赤を基調にした抽象のリトグラフ。
和の伝統行事とそれの現代化の創意工夫。
スカッとしてました。

 

ほかの出展者にも「コンテストに応募したのはなんで?」と聞いてみました。

   管理栄養士をしていたが子育てで休職、知り合ったテーブルコーディネーター
   の助手をしているが、こういう場で自分の力をつけたい。
   私自身はプロになるつもりは無く、前職は料理そのものだけだったが、それを
   とりまいた「食卓」全体で子供達に伝えていきたいものがあります。
   和と洋。伝統。季節などです。
   コンテストではどうしても「作品性」が問われるわけですが、
   やりたいのは普段の日常の事としての「食卓」の工夫や演出です。
   子供達に「ゆたかに食べる」ことをつたえたいのです。

   私達は野遊びのグループでして良く野外で食事をするわけですが、その気分を
   再現して出してみました。
   この出展者たちはブースに秋の紅葉を散りしいた小川のほとりを再現。
   色とりどりのおにぎりや石のかまどで調理中の汁など)

  みなさんの意見を総合すると「食卓」をゆたかに、自分の創意工夫で演出して
  人とのつながりを深めたい。そういう芸事としての食卓演出がおもしろくて
  やって来たのでこのコンテストでちょっと腕試しというカンジ。

  うちの場合は去年は売りにだけ来てて、コンテストてどんなモンて見てみたら、
  よその陶芸家が3人ぐらいで出してたんです。(売りにはきてなかった)
  それが筒型の壷を足にして天板にも焼いたタイルで焼物の座卓。麻の座ぶとんに
  「我・楽・喰・多」とふっとい墨字。アバンギャルドでアートっぽい使いにくそ
  うな食器を取り合わせて「焼物屋仲間の陶芸談義に花が咲く・・・」という
  演出やったんです。それを見て

   「うーん、永源寺の工芸は質が高いから、取り合わせてだしたら
    イケルかもっ!」

   と云うのがコンテスト出展の動機。それに永源寺町の町起こしのエエ発信にな
   るし、ブース販売の方の売り上げ増にも結びつくかもしれんし・・・

  でも応募のときは3枚の写真だけやけど優秀作品に選ばれてドームに展示、もし
  かしたら100万か!となると大事になってくるようで、以前の大賞受賞者を含
  むメンバーでどう見せるかミーティングをくりかえし、陶器などはお店に頼んで
  借りたり、バックの水墨画と書を「日展の先生」に頼んで買いてもろたりと、
  リキはいってました。

  さてうちも含めて受賞作を拝見。

 

 こういうのんの審査てどうきめるンかなと思てたけど
審査員長の講評を聞くと納得でした。

 7つの観点、(器の取り合わせ、テーブルの上の演出、料理に新味と工夫があるか、コンセプトの面白さなど)を6人での審査員がそれぞれ5点満点で各出品作ごとに点数を入れて総集計しその後は上位の作品について 点数をはなれて協議して各賞を決めるとのこと。
大賞作品は総集計でも最多得点やったそうで・・・でも今年は決めるの時 間かかったそうです。

 そして最後の決め手は
 「この食卓に座ったらどんな話がきけるんだろう?
 座ったら誰にあえるんだろう?どんな味の料理なんだろう?」
 ここに座ってみたいと思えるかどうか・・・もてなしの心です。
     

 

 うちは『山里の夜咄 e-クラフトの食卓』
     
 永源寺町の工芸と食材を山家の土間で・・・この中央突破しか無かった。

 

 3席にあたる関西電力賞(賞金20万円はお振込です)

 うちの場合はとりたてて花も無い、料理も無い(単なるイワナのナベ)のに良く評価してもらえたと思います。
 勝因は
 色が無いのを逆転させて土間再現、粘土を敷きつめて炭の粉をまいた。地元の左官屋さんに教わってちゃんと壁を塗って現場に持ち込んで組み立てた。食材(イワナ、しいたけなど)を焼物で作って見せた。
  
 こういったことを手を抜かず本気でやった・・・ことにつきると
 町内みなさんの御協力のおかげです

 

大阪ガス賞 『大仏さんより大きな愛を』

 娘の婿どのをもてなすための茶粥の膳やそうで、青い目の婿どのを喜ばせたいと・・・

 

松下賞 『パリの焼きぐり 旅の思いで』

 去年行ったパリ。その思い出を料理に再現。カラーコーディネーションがみごと。洒落てるよね。料理も凝ってる。

 

大阪市長賞 『緑にだかれてランチ』 ここから2席30万円。

 うーん全出展者の中で一番シンプルなしつらえやった。
 季節をはずしてるよね、10月末が応募締め切りで展示が一月やのに。でもすごく花とクロスの色使いと器の大きさなんかのバランスがキレイでほんとサワヤカでした。
 料理の色も爽やかなオリジナル料理が考えてありました。そら豆の冷製スープ・バジルの冷たいパスタ・キュウリの生クリーム和え飲み物はミネラルウォーター。ともかく緑と涼しさにこだわったトータルな演出がみごと。

 

大阪府知事賞 『まどろみの時間(とき)』

 大正ロマンがテーマ。カマンベールチーズとオリーブの前菜で蓮根饅頭があり、鹿児島黒豚のニラ鍋。鍋は備前焼き。ピクルス。穴きゅう。
 和と洋の接点を大正ロマンに求めるかぁ。
 うーん、うちのがこの賞に入ってもおかしないなぁ・・・クヤシイなぁ。

 

 

 

経済産業大臣賞 『秋を楽しみにいらっしゃいませんか』 
大賞100万円はこの作品に。
   
 セレモニーで「はじまりはサツマイモの芽がのびてキレイだったことです」と受賞者自身が言ってました。料理もしっかりしてます。
     
 エスカルゴと黒オリーブ。カボチャ茶巾絞りに柚子あんかけ。里芋、キヌカツギ、大根、人参、金時芋など秋の食材を和をベースに洋のフレーバーもくわえて。

 芋の葉っぱの伸びゆく緑を、暗くて地味なセッティングのなかに印象深く浮き上がらせている。テーブルのクロスは酒袋。バックの暖簾はもひとつ。弁柄細格子の引き戸を立てまわすのはうちも考えてました。

 うーん、やっぱり負けたかなぁ。うちのはケレン味が強すぎるモン。
 受賞者は信じられないと言う面持ちでしたが、去年の大賞受賞者のお友達らしくやはり、あーでもないこーでも無いの段階からお手伝いしてもらったらしいです。会場展示にはやはり戦略と起動力、経験がいると思うなぁ。そぎ落としてそぎ落としてどう見せルか。現場の制約のなかで。

 

 

 

ともかくも以上が今年のコンテストの結果です。
審査委員長は「高齢者」「子ども」というテーマでの出展、視線が時事性があるが、
まだ少ないということと、男性の出展がほとんど無いということを言ってました。
グループ出展の代表名が男の人というのはポツポツあるけど、もっと男の人も出すこ
とを期待してると言ってました。ばくがはじめての男の受賞者だそうで。

 思えば焼物をやってきて器を作って来て、お茶、茶事は芸事の極致。総合芸術やと
思てきたわけです。やきもの、漆器に目が届き、書、和歌、漢籍の素養に通じてお床
の軸を選び、建築、造園も分かってなお、四季のうつろいの中で茶室に取り込む光を
も演出し、庭を流れる水の音をもつかさどって客をもてなす。客の心のなにごとかを
動かす・・・

 四季あるこの国に生まれた深みを喜ぶ芸事の極致。
 でもチョー金持ちしかでけへんもんなぁ、そんなこと今。

 そやから普段の人の暮らしの中、ときにあるハレの日になんかやって面白がりたい
なぁと思うねんな。「メシ食う」て人が生きることの根幹にかかわることやん。
 ほんであと何回かメシ食うたらみんな死ぬやん。そやし面白うメシ食う日がたくさ
んあって欲しいなぁ、て思うねんな。
 たまにやけど面白がっていろいろやって一緒に食べる人を面白がらせたり、驚かせ
たり・・・大したモンやのうても工夫して食べたら御馳走に見えるしな・・・
 そのことで一緒にメシ食う人との関係も深まるような形で・・・

 ぼくみたいにゲージュツとしての焼きモンを追求してこんかった者には
今回のコンテストはピッタリの『場』やったかも・・・・

フェア会場では無料のロクロ教室も

 

去年もあった中国茶の「茶藝」

 

加賀前田家の正月膳

 

八風窯のブース       
コンテスト受賞の影響はなく
去年と同じくらいの売り上げ。
ガッカリ。

 

 

東西お宝横町の骨董
この備前大瓶300万
安いけど買えへん。

 

ロンボクの野焼き陶器に
バリバティックの古布を張ったバリ陶器。

 

全国の雑煮
3種類くらいは点心付きで
食べることができた

 

 

 

 ドームはJR環状線でいうと大正駅のそばにあります。
 大正区は沖縄出身者の多い町。それでもっぱらナイトライフは沖縄民謡酒場に行っ
てました。4回も。料理はゴーヤチャンプルーとかポークたまご。らふてぃーをつま
みながら泡盛をやって、ライブが楽しかったです。

一年半まえに沖縄から出て来たそう。

 

孫のレイナちゃんはおぶわれて・・・

 

 

 

 

カナダ人学校教師の歌う『花』

 

常連のおっさんらのカチャーシー

 

 

ぼくが習ってる能登川の三線講座のメンバーと琉球舞踊のメンバーが合同新年会やって、このあと20人のカチャーシーになってスゴかったです、女の人の元気に圧倒されました。

 

沖縄琉球民謡酒場
『はいさい』06-6555-9807

JR環状線大正駅 北側タクシー乗り場を渡って右側の焼肉屋の2階。沖縄フリークは行ってみてね。

 

追記 大阪ドームのこのイベントは4回つづいてこの年で終了。
9日間の会期で6万人が集められない・・・東京ドームは30万人集客。     
関西経済の落ち込みと、ちょっとのことでは財布のひもを緩めない
関西人気質が如実に出る結果となりました。

 



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